社会福祉法人における「適正人件費」とは?

適正人件費とは、健全かつ永続的な経営ををもたらす人件費配分のことで、「労働分配率」を使って算出することが一般的です。
労働分配率とは、総人件費を総付加価値で割った数字です。
この「総付加価値」の定義は様々で日銀方式と中小企業庁方式という二つの計算方法が主流です。福祉事業所に関しては、少し古い資料になりますが「平成23年3月 東京都社会福祉法人経営適正化検討会」では次のように定義されているようです。

労働分配率=【人件費支出+福利厚生費+退職給不引当金繰入-退職給不引当金戻入+賞不引当金繰入-賞不引当金戻入)】 ÷
【(事業活動収入-寄附金収入―雑収入-借入金元金償還補助金収入-国庫補助金等特別積立金取崩額)-(事業費支出+委託費<事務費>+減価償却費-国庫補助金等特別積立金取崩額)】
×100(%)

「付加価値額」の算出方法は、様々な考え方により色々な計算式が用いられていますが、どの計算式をとるにしても、いったん決まったらその方法を継続させることが肝要です。

また、この適正労働分配率は、前年のコスト構造や目標利益をいくらにするかによって、算定結果が変わってくるものです。この場合、決算が終わりもしくは見通しがついたら、次年度の適正労働分配率の算定をやりなおし、見直すことが重要でしょう。

【参考リンク】東京都社会福祉法人経営適正化検討会報告書(平成23年3月)

menu