「ハラスメント防止コンサルタント」とはどういった資格ですか?何をしてもらえるんでしょうか?
ハラスメント防止コンサルタントの定義と概要
ハラスメント防止コンサルタントとは、職場におけるハラスメント防止の専門家として認定された資格保持者です。この資格は、公益財団法人21世紀職業財団が2009年度から認定・登録を行っている民間資格です。ハラスメント防止コンサルタントは、企業や組織においてハラスメントのない快適な職場環境づくりを目指して活躍する専門家です。彼らは、ハラスメントの基礎知識、関連法規、事案解決法、カウンセリングスキルなどの幅広い知識と能力を持っています。
資格取得の流れ
- 養成講座の受講
- 認定試験の受験
- 合格後の登録
養成講座はオンデマンド方式で行われ、約13時間の総視聴時間があります。
認定試験の概要
認定試験は年1回実施され、以下の特徴があります:
- 試験時間:約3時間30分(第1部:択一式90分、第2部:記述式60分)
- 出題形式:第1部 択一式60問、第2部 記述式
- 出題範囲:
- ハラスメントの基礎知識
- ハラスメントに関する労働法
- 裁判例解説とハラスメント事案解決法
- カウンセリングとメンタルヘルス
合格率は30%程度とレベルの高い試験であり、認定された後も、ハラスメント防止の研修、相談窓口業務、就業規則へのハラスメント防止規定の導入など、企業内外で活動することが資格更新の条件となっています。
受験資格
以下のいずれかに該当する方が受験できます:
- 企業内で人事・労務管理経験5年以上の方
- 社会保険労務士
- 産業カウンセラー
- メンタルヘルス・マネジメント® 検定I種
- 産業医
- 第一種衛生管理者、第二種衛生管理者
- 労働衛生コンサルタント
- 国家資格キャリアコンサルタント
- 直近3年間のハラスメント防止コンサルタント養成講座受講修了者
ハラスメント防止コンサルタントの役割
ハラスメント防止コンサルタントは、以下のような分野で活躍しています:
- 企業・団体のハラスメント防止対策推進
- 社内体制の整備
- ハラスメント防止方針の策定支援
- 社内規定の作成・見直し
- 相談対応
- ハラスメント相談窓口の設置・運営支援
- 被害者・加害者へのカウンセリング
- 事案解決の支援
- ハラスメント事案の調査
- 解決策の提案
- 再発防止策の策定
- 研修講師
- 管理職向けハラスメント防止研修
- 一般社員向け啓発セミナー
- 相談員向けスキルアップ研修
ハラスメント防止コンサルタントの重要性
2022年4月1日から、企業にパワハラ防止義務が課せられました。
この法改正により、ハラスメント防止コンサルタントの役割はますます重要になっています。ハラスメントが発生すると、被害者だけでなく、加害者や企業にも多大な影響を及ぼします。そのため、予防が最大の解決策となります。企業のハラスメント防止対策を総合的にサポートする一つの武器として、その専門知識と経験を有した「ハラスメント防止コンサルタント」の活用を考えてみてもいいかもしれません。
まとめ
ハラスメント防止コンサルタントは、職場におけるハラスメント問題に特化した専門家で、企業がハラスメントのない健全な職場環境を構築し維持するうえで、非常に重要な役割を果たしています。
企業は、ハラスメント防止コンサルタントを活用することで、法令遵守はもちろん、従業員の働きやすさや生産性の向上、さらには企業イメージの向上にもつながる可能性があります。
ハラスメント問題に悩む企業や、予防策を強化したい企業にとって、ハラスメント防止コンサルタントは心強い味方となるでしょう。