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第10回雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会が開催(1)|現行の女性活躍推進法を巡る現状と対応の方向性

令和6年7月17日に開催された第10回雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会では、女性活躍推進法の現状と今後の方向性について報告書素案が示されました。本コラムでは、女性活躍推進法の現状とその効果について解説し、今後の対応の方向性についても触れていきます。

1. 女性活躍推進法を巡る現状と効果

女性活躍推進法は、平成28年に施行され、女性の職場における活躍を促進するための法律です。この法律に基づき、企業は行動計画を策定し、女性の就業状況や取組状況の情報を公表する義務があります。報告書素案によれば、20年間の経年比較で女性の年齢階級別就業率がM字型から台形型に移行し、出産後の女性の継続就業率も高くなっています。これは、職場における男女の均等な機会及び待遇の確保を目指した各種法律の制定・改正が効果を上げた結果と考えられます。

一方で、女性の正規雇用比率は「25~29歳」のピークが高く、その後は「L字カーブ」を描く形で減少しています。特に管理職適齢期である「45~49歳」を境に再び下降する傾向が見られ、男女間賃金差異の縮小や女性管理職比率の上昇ペースが緩やかであることが影響しています。

2. 男女間賃金差異などの情報公表を巡る状況

女性活躍推進法に基づく情報公表は、企業が女性活躍に向けた取組を自主的に進めるための重要な手段です。求職者や投資家が企業の姿勢を知ることができるよう、行動計画や女性の職業選択に資する情報を公表することが求められています。

報告書素案によれば、企業が情報公表を進めることで、女性の採用や昇進、管理職比率の向上に向けた好影響が出ていることが示されています。特に中小企業では、女性管理職比率が大企業よりも高くなる傾向が見られます。

3. えるぼし認定、プラチナえるぼし認定の状況

えるぼし認定とプラチナえるぼし認定は、企業が女性活躍推進に向けた取組を評価する制度です。えるぼし認定企業数は増加傾向にあり、特に中小企業においては高い割合で認定が取得されています。これは、企業規模が小さいことから、採用や女性管理職比率等の目標値が達成しやすいことが一因と考えられます。

一方で、大企業では認定取得のために必要な採用数や登用数が多く、実績を上げるのに時間がかかるため、認定取得が難しい状況にあります。

4. 女性活躍推進法の施行に当たっての課題

女性活躍推進法は一定の効果を上げていますが、さらなる取組が必要です。特に女性管理職比率の向上や男女間賃金差異の縮小を進めるためには、企業が女性の採用、教育訓練、登用、両立支援に取り組むことが重要です。

報告書素案では、情報公表項目数が多い企業ほど女性管理職比率が高く、企業全体の活性化や採用面でのポジティブな効果が見られることが示されています。これにより、女性活躍推進法に基づく取組の効果が実証されています。

5. 今後の対応の方向性

今後の対応の方向性として、女性活躍推進法の延長や中小企業における取組促進が挙げられます。報告書素案では、企業が女性活躍推進に積極的に取り組むための支援策として、コンサルティングや好事例の収集・発信が重要であるとされています。また、男女間賃金差異の公表義務の対象拡大や、女性管理職比率の公表必須項目化も検討されています。

まとめ

当事務所では、女性活躍推進法に基づく企業の取組を支援し、女性が働きやすい職場環境の整備をサポートしています。中小企業や介護福祉事業所、障害福祉事業所に対しては、具体的な取組事例の紹介や情報公表の方法についてのアドバイスを行っています。

女性管理職比率の向上や男女間賃金差異の縮小に向けた取組を企業が進めるためのコンサルティングサービスを提供しています。企業が女性活躍推進に積極的に取り組むことで、経営の安定と発展を目指していくことが重要です。

企業の競争力を高め、社会全体の発展に寄与するために、当事務所は引き続き企業の女性活躍推進をサポートし、より良い社会の実現に向けて貢献していきます。

 

【参考リンク】第10回雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会
【参考資料】雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会 報告書(素案)

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