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令和5年度「介護労働実態調査」の結果を受けて(1)|介護労働の現状と課題:人材不足と離職率の現実とその対策

公益財団法人介護労働安定センターが毎年実施する「介護労働実態調査」の令和5年度の結果が公表されました。本調査は、介護分野における人材の確保と育成、労働環境の改善、介護保険サービスの質向上を目的としています。本コラムでは、この調査結果をもとに、介護労働市場の現状と課題について3回に分けて考察していきたいと思います。

介護労働の現状

令和5年度の調査結果によると、介護労働市場は依然として人材不足が深刻な状況にあります。全体の64.7%の事業所が「大いに不足」、「不足」、「やや不足」と回答しており、特に訪問介護員においては約8割の事業所が人材不足を感じています。この結果は、介護現場の厳しい現実を如実に表しています。

また、採用率に関しては、2012年度以降減少傾向にあったものの、2021年度を底に2年連続で増加しています。2023年度の訪問介護員と介護職員を合わせた採用率は16.9%となり、一定の改善が見られるものの、依然として需要に対して供給が追いついていない状況です。

離職率の傾向

離職率に関しても注目すべき点がいくつかあります。2012年度以降、全体的には減少傾向にあるものの、2022年度に一時的な増加が見られました。2023年度には再び減少し、13.1%となっています。しかし、依然として高い離職率が続いていることは、介護現場の職場環境や待遇に改善の余地があることを示しています。

特に、職場の人間関係の悪化が離職の大きな要因となっていることが分かりました。職場の人間関係が良好であることが採用と定着において重要な要素であり、改善が求められます。

まとめ

介護労働市場の現状を見てみると、人材不足と離職率の高さが引き続き大きな課題となっています。特に訪問介護員における人材不足は深刻であり、これはサービスの質に直接影響を与える要因となります。採用率の改善が見られる一方で、離職率の高さが依然として問題となっているため、労働環境の改善が急務です。

職場の人間関係が労働者の定着に大きく影響するというデータからも、職場環境の質が採用や定着に直結することが明らかです。当事務所としては、これらの課題に対して深い理解を持ち、クライアントに対する適切なアドバイスを提供してまいります。

介護労働市場の現状と課題について、令和5年度の調査結果をもとに詳しく見てきました。人材不足と離職率の高さは依然として大きな課題であり、職場環境や待遇の改善、人材育成の強化が求められます。今回のコラムが皆様の参考になれば幸いです。

【参考リンク】介護労働安定センター 令和5年度 介護労働実態調査

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