外国人介護人材の訪問介護業務従事等に関する中間まとめ(案)について(1)
第7回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会の概要
2024年6月19日、第7回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会が開催され、外国人介護人材の訪問介護業務従事等に関する中間まとめ(案)が示されました。本記事では、この検討会の内容と外国人介護人材の受け入れに関する重要なポイントを取り上げ、介護事業所や中小企業の経営者の皆様に役立つ情報をお届けします。
訪問系サービスへの従事
訪問系サービスに外国人介護人材を従事させるためには、以下の条件が求められます。
1.介護職員初任者研修の修了:
日本人同様に、介護職員初任者研修を修了した有資格者であることが前提です。
2.事業者の遵守事項:
事業者は、以下の5つの事項を適切に履行できる体制や計画を持つことが求められます。
- 外国人介護人材への研修: 訪問介護の基本事項、生活支援技術、利用者や家族とのコミュニケーションスキル、日本の生活様式などを含む研修を実施。
- OJTの実施: 訪問系サービスを一人で適切に行えるよう、一定期間、サービス提供責任者が同行してOJTを行う。
- 業務内容の説明とキャリアパス計画: 業務内容や注意事項を丁寧に説明し、外国人介護人材のキャリアアップ計画を作成。
- ハラスメント対策: 受入事業所内でのハラスメント防止対策として、対応マニュアルの作成・共有、相談窓口の設置などを実施。
- ICTの活用: 記録業務の支援や介護現場での困りごとを相談できる体制整備など、ICTを活用した環境整備を行う。
これらの条件を満たすことで、外国人介護人材が訪問系サービスに従事することが認められます。これにより、介護事業所は質の高いサービスを提供しながら、人材不足を解消することが期待されます。
まとめ
今回の中間まとめ案では、外国人介護人材の訪問系サービスへの従事が認められることで、人材不足解消やサービスの質向上が期待されます。また、適切な研修とOJTの実施により、外国人介護人材の能力向上も図れます。一方で、事業者にはハラスメント対策やICTの活用など、新たな体制整備が求められます。
当事務所では、これらの要件を踏まえ、外国人介護人材の受け入れを推進は重要であると考えますが、それでも慎重な対応が必要だと考えています。
適切な研修プログラムの提供や、ハラスメント防止対策の強化、ICTの導入支援などを行い、外国人介護人材が安心して働ける環境の整備は必須です。また、外国人介護人材の受け入れが地域社会や利用者に与える影響についても考慮し、慎重に進めることが重要ではないでしょうか。